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霜や露への対策

日射計データの品質管理

日射計で日射量を測定する際には、取得したデータをそのまま使用する前に内容を確認することが重要です。 誤ったデータにつながる要因はいくつかあります。たとえば、センサードームの汚れや、測定場所周辺の構造物による影響は、定期的に発生する代表的なものです。センサーの汚れは、日常的な清掃作業の中で容易に発見できます。また、周囲の構造物による影は、複数日の連続データを比較することで明確に確認できます。

本ノートでは、特に簡単には識別できない事象、なかでもセンサードームに付着する霜や露に焦点を当てます。地理的条件によっては、霜や露の発生が、太陽が地平線上にある時間の 10% を超えることもあります。 しかし、適切な加熱および換気機能を備えた日射計を使用することで、これらの影響は容易に抑制できます。

測定に影響を与える要因

日射計で日射量を測定する際には、センサードームに汚れや付着物がない状態を保つことが重要です。 汚れの中には、日常的な清掃で容易に確認できるものもあります。たとえば、長期間にわたって蓄積するほこりは、測定値に継続的なオフセットを生じさせます。 一方で、短時間だけ測定に影響し、しかも痕跡を残さない付着物も存在します。主に早朝に発生する霜や露、場合によっては雪がこれに該当します。 本ノートでは、日射計ドームに発生する霜や露の形成に焦点を当て、測定データの中から霜・露の影響が疑われる期間を識別するための品質管理(Quality Control)指針を紹介します。

Dew formation on a pyranometer (left) with a temperature below the dew point temperature
図 1 日射計に発生した露(左)。センサー温度が露点温度を下回った状態で形成される。
図 2 相対湿度に対する霜点温度(赤)と露点温度(青)。空気温度 0 °C(実線)および −10 °C(破線)の場合を示す。霜点温度は常に露点温度より高いことが分かる。 

露は、日射計周囲の空気中に含まれる水蒸気が凝結し、水滴としてセンサードーム表面に付着する現象です。これは、日射計の温度が露点温度を下回ったときに発生します。特に晴天の夜間は、大気との正味の放射収支によって日射計が冷却されやすく、露が形成されやすい条件になります。冷えたドーム表面は周囲の空気をさらに冷却し、湿度が十分に高い場合には露が発生します。これは気温が正でも負でも起こり得ます。

日射計は、日が昇るとともに再び温度が上昇します。センサー温度が露点温度を上回ると、ドームに付着した露は蒸発し始めます。そのため、日射が数時間続いた後には、センサー上に露が残っていることはほとんどありません。

霜は、露と異なり一日のどの時間帯でも発生する可能性がありますが、特に夜間の放射冷却によって日射計が冷えるため、早朝に多く見られます。霜は、日射計周囲の空気中に含まれる水蒸気が液体の段階を経ずに直接氷の結晶として付着することで形成されます。霜が発生するためには、日射計の温度が霜点温度を下回る必要があります。

また、すでに露が付着している状態で気温が氷点下まで下がると、その露が凍結して霜となる場合もあります。水蒸気から直接形成された霜なのか、露が凍ったものなのかを明確に区別する方法はありません。

図 2 では、空気温度 0 °C(実線)および −10 °C(破線)における相対湿度と霜点温度(赤)、露点温度(青)の関係を示しています。霜点温度は常に露点温度より高いため、気温が 0 °C 未満の場合、露が形成される前に霜が発生する可能性が高くなります。

ただし、過冷却状態の水蒸気が露点温度以下で液滴として付着し、その後に凍結することもあります。このような氷の付着は、一般に霜ではなく「樹氷」と呼ばれます。

影響を受けたデータの検出方法

ある期間に日射計が露や霜の影響を受けていたかどうかを、100%の確実性で判断する唯一の方法は、実際に日射計を目視で確認することです。

ただし、場合によっては、測定データから霜や露の影響を受けた期間を推定できることもあります。図 4 には典型的な霜の事例を、図 5 には典型的な露の事例を示しています。赤線は、加熱・換気を備えた通常動作モードの SR30 による測定値で、霜や露の影響を受けていません[1]。紫とオレンジは、それぞれ低消費電力モードの SR30 と SR20 の測定値で、いずれも霜や露の影響を受けています。緑線は Bird モデルによる全天日射量(GHI)の推定値です[2]。

すべての測定はオランダ・デルフトで実施されました。なお、測定サイト周辺の構造物による影響が朝の時間帯に現れており、図 4 では 9:00 以前、図 5 では 8:00 以前のデータにその影響が見られます。

図 4 低消費電力モードの SR30 と SR20 に見られる霜の影響の例。通常動作モードの SR30(加熱・換気あり)には霜の影響は見られない。測定はオランダ・デルフトで実施。

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