熱流束センサーによる複合材硬化の高度化
Swinburne 工科大学と Boeing は、複合材製造を最適化するための AI 駆動型フレームワークの開発に成功した。リアルタイムの生産監視には、信頼性の高い熱流束測定が不可欠であった。このため、Hukx の FHF06 高温対応熱流束センサーが、その高い精度、迅速な応答性、そして過酷な産業環境で実証された信頼性により採用された。
熱的条件のリアルタイム監視
複合材は、航空宇宙や自動車などの高性能分野にとって不可欠な材料である。しかし、その製造品質は熱的条件に大きく依存しており、リアルタイム監視が不可欠となる。これに対応するため、Swinburne 工科大学と Boeing は、Hukx の FHF06 熱流束センサーを用いたリアルタイム監視および予測のための AI 駆動型フレームワークを共同で構築した。
複合材製造の基本
複合材は、補強繊維をそれらを結合するマトリックス材と組み合わせることで形成される。これにより、強く耐久性の高い材料となり、多くの産業で広く利用されている。
一般的に使用される製造方法のひとつに Liquid Composite Moulding(LCM)があり、これは 4 つの工程から構成される(図1参照)。
- 成形準備:補強繊維を金型に配置し、所望の形状を形成する。
- 樹脂注入:金型に高温の液体樹脂を充填する。樹脂が繊維層を効果的に流れるよう、一定温度が維持される。
- 硬化:複合材を加熱し、最適な硬化度に達するまで処理する。硬化条件は最終的な複合材品質にとって極めて重要である。
- 脱型:硬化後、複合材を金型から取り外し、使用可能な状態となる。

図1 Liquid Composite Moulding(LCM)は、(1)成形準備、(2)樹脂注入、(3)硬化、(4)脱型の工程から構成される。
LCM における製造条件は、最終的な複合材特性に大きな影響を与える。
Swinburne 工科大学の研究者らは、これらの条件を正確に監視・予測する AI ベースのフレームワークを開発し、生産パラメータを適時に調整できるようにすることでプロセス制御を強化した。これには、高い精度と短い応答時間を理由に選定された FHF06 熱流束センサーが使用された。
複合材の熱的モニタリングにおける熱流束センサーの使用
熱流束測定は LCM プロセスに関して貴重な知見を提供する。そのため、熱流束センサーは複合材産業で注目を集めている。主に樹脂注入工程と硬化工程で使用される。
熱流束センサーは、樹脂注入工程における樹脂の流動先端を監視できる。これにより、欠陥の早期検出が可能となり、圧力や流量などの注入パラメータを微調整でき、生産コストの削減につながる。熱流束の変化は温度変化に先行するため、熱流束センサーは温度センサーよりも正確かつ迅速に流動先端を検出できる。
熱流束は硬化工程でも重要な役割を果たす。ほとんどの硬化プロセスは発熱性であり、つまり熱を放出する。そのため、硬化の進行は樹脂の発熱量を測定することで監視でき、これは熱流束と温度の組み合わせ測定によって求められる。
AI 駆動型モニタリングフレームワークの説明
Swinburne 工科大学の研究者らは、AI による予測を用いて LCM 製造方法を効率化するため、Boeing と協力した。
AI 駆動型フレームワークは 3 つの中核要素で構成されている。
専用センサーが、温度・熱流束・樹脂流動の進行などの重要パラメータを測定する。
IoT プラットフォームが、リアルタイムのデータ取得・処理・クラウド保存を可能にする。
AI モデルが、樹脂硬化の進行度や温度プロファイルなど、将来のプロセス状態を予測する。

図2 専用センサーはデータを中央の IoT プラットフォームに提供し、そこで処理されたデータが AI 予測モデルへ送信される。
研究者らは、このフレームワークを実際の製造事例で検証した。その結果、このフレームワークが複合材製造のデジタル化に向けた有望な候補であることが示された。
FHF06 高温対応熱流束センサー
信頼性の高い予測を行うため、研究者らには高精度かつ高感度のセンサーが必要であった。そのため、Hukx の FHF06 熱流束センサーが選定された。このセンサーは 250°C までの温度に耐えつつ、優れた精度と高速応答性を維持する。これらの特性により、FHF06 は高精度な複合材硬化アプリケーションに最適である。
さらに、FHF06 の高い感度により、熱流束のわずかな変化でも測定できる。高速応答性と組み合わせることで、樹脂注入工程における流動先端を適時に検出できる。そのため、FHF06 は樹脂流動先端のモニタリングに対する有効な解決策も提供する。

図3 Hukx の FHF06 高温対応箔式熱流束センサー。独自の構造により 250°C までの測定が可能で、温度測定用に T 型熱電対が組み込まれている。
まとめると、FHF06 熱流束センサーは複合材製造業界において有用なツールであることが実証されている。樹脂注入工程や硬化工程といった重要なプロセス段階に適している。Swinburne 工科大学と Boeing によって実施された革新的な研究は、FHF06 が高精度な複合材製造および研究において有効であることを示している。
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